【昭和の夏の風物詩】「冷やしあめ」と「グリーンティー」
夏の最強の飲み物
夏の暑い日、母の買い物についていった幼き日の僕は
暑さのあまりダダをこねると必ず買って与えてくれたのが
「冷やしあめ」でした。
長い商店街の中ほどの冷やしあめが売っている店の近くになると
わざとダダをこねていた気がします。
これが冷たくておいしいのです。
銀色の大掛かりな機械でキンキンに冷やされた冷やしあめ。
子供だった僕にはショウガの風味がちょっと大人の味でした。
僕らの頃は1杯50円くらいで、店先にある透明のコップに
店主のおじさんがなみなみと注いでくれるのです。
コップも紙コップやプラスチックの使い捨てのコップではなく、
ずらっとつみ重ねられたガラスのコップでした。
小さな僕は両手の手のひらで冷たいコップを抱え、一気に飲み干す。
背中に張り付く汗まみれのシャツの隙間を一瞬清涼感が走る。
鼻に抜けるショウガの香りと舌先に残るほどよい甘み。
夏の最高の一杯でした。
しかし、冷やしあめの横に同じように売っている、
謎の深緑の飲み物・・・。
母は時折飲むその深緑の飲み物こそが
「グリーンティー」なのです。
これもまたおいしいのです。
言うなれば甘い抹茶味の飲み物です。
これも店先でキンキンに冷やされ、
「どっちにする?」
と聞かれた僕は選択をいつも悩んでいました。
もう、ずっと何十年も飲んではいないですが、
久しぶりに飲んでみたいですね。