オッサンライフ

オッサンのオッサンによるオッサンのためのブログ

とにかくわけがわからないけど、その文学性に驚嘆する小説10選

f:id:free_moon:20170530195034j:plain

 

 

これまでの人生でたくさんの本を読んできた。

学校で、通学や通勤で、休憩時間や睡眠前、

あまたの物語に触れてきた。

その中でも、「わけがわからないけど何かすごい

そんな物語もあった。

しかし、なぜか奥が深く、味わい深い物語だった。

そんな物語達を紹介したい。

 

 

 

あえて感想は一言だけにしておいた。

物語のとらえ方や理解は人それぞれ違いがあるからだ。

そこを示してしまうと身も蓋もなくなってしまう。

いつもより一歩、いや半歩だけ立ち入って読んでいただきたい物語ばかりだ。

f:id:free_moon:20170513162433j:plain

 

 

「銀河ヒッチハイクガイド」 ダグラス・アダムス

銀河ヒッチハイク・ガイド 銀河ヒッチハイクガイドシリーズ (河出文庫)

銀河バイパス建設のため、ある日突然、地球が消滅。どこをとっても平凡な英国人アーサー・デントは、最後の生き残りとなる。アーサーは、たまたま地球に居た宇宙人フォードと、宇宙でヒッチハイクをするハメに。必要なのは、タオルと“ガイド”―。

銀河ヒッチハイク・ガイド 銀河ヒッチハイクガイドシリーズ (河出文庫)

 ◆とにかくハチャメチャでわけがわからない。

「さようなら、ギャングたち」 高橋源一郎

さようなら、ギャングたち (講談社文芸文庫)

詩人の「わたし」と恋人の「S・B(ソング・ブック)」と猫の「ヘンリー4世」が営む超現実的な愛の生活を独創的な文体で描く。

さようなら、ギャングたち (講談社文芸文庫)

 ◆散文的でストーリーもないが、なぜがホロリと。

「アメリカの鱒釣り」 リチャード・ブローディガン

アメリカの鱒釣り (新潮文庫)

二つの墓地のあいだを墓場クリークが流れていた。いい鱒がたくさんいて、夏の日の葬送行列のようにゆるやかに流れていた。――涼やかで苦みのある笑いと、神話めいた深い静けさ。街に、自然に、そして歴史のただなかに、失われた〈アメリカの鱒釣り〉の姿を探す47の物語。 

アメリカの鱒釣り (新潮文庫)

 ◆主人公は誰? どういうこと? 

「一人の男が飛行機から飛び降りる」 バリー・ユアグロー

一人の男が飛行機から飛び降りる (新潮文庫)

一人の男が飛行機から飛び降りる。涙を流しながら、靴箱いっぱいのラブレターを空中に投げ捨て…・魚を先祖に持つ女の逸話・世界で最後の煙草を持った男が、ブロンド女からマッチを手に入れようと苦労した物語・サルタンのハーレムを警備していた私が、テントの中を覗き込んで見たものとは…

一人の男が飛行機から飛び降りる (新潮文庫)

 ◆これは物語なのか、単なるメモなのか。

「タイタンの妖女」 カート・ヴォネガット・ジュニア

タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫SF)

時空を超えたあらゆる時と場所に波動現象として存在する、ウィンストン・ナイルズ・ラムファードは、神のような力を使って、さまざまな計画を実行し、人類を導いていた。その計画で操られる最大の受難者が、全米一の大富豪マラカイ・コンスタントだった。富も記憶も奪われ、地球から火星、水星へと太陽系を流浪させられるコンスタントの行く末と、人類の究極の運命とは?

タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫SF)

 ◆わけはよくわからないが、せつない物語。

「ゲルニカ1984年」 栗本薫

ゲルニカ1984年 (ハヤカワ文庫JA)

「ぼくは、ゲルニカっていう本を読んだんだよ。その中に、ちょっと、おもしろい…というか、気にひっかかることがあったんだ」TVディレクターの安田修平は、ふとしたことから、日本がすでに戦争状態にあるのではないかという疑惑にとらわれた。しかし、妻も同僚も一笑に付して相手にしようとはしない。心を閉ざし、何かにおびえ、見えざる影に追われる修平。「戦争ははじまってるんだ…いまは戦時下なんだ。…皆、見ないふりをしてごまかしてる…そうなんだろう?」 

ゲルニカ1984年 (ハヤカワ文庫JA)

 ◆頭がおかしくなる? 少し怖い。

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」 フィリップ・K・ディック

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

長く続いた戦争のため、放射能灰に汚染され廃墟と化した地球。生き残ったものの中には異星に安住の地を求めるものも多い。そのため異星での植民計画が重要視されるが、過酷で危険を伴う労働は、もっぱらアンドロイドを用いて行われている。また、多くの生物が絶滅し稀少なため、生物を所有することが一種のステータスとなっている。そんななか、火星で植民奴隷として使われていた8人のアンドロイドが逃亡し、地球に逃げ込むという事件が発生。人工の電気羊しか飼えず、本物の動物を手に入れたいと願っているリックは、多額の懸賞金のため「アンドロイド狩り」の仕事を引き受けるのだが…。 

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

 ◆なにがなんだか、とにかく意味がわからない。

「城」 フランツ・カフカ

城 (新潮文庫)

測量師のKは深い雪の中に横たわる村に到着するが、仕事を依頼された城の伯爵家からは何の連絡もない。村での生活が始まると、村長に翻弄されたり、正体不明の助手をつけられたり、はては宿屋の酒場で働く女性と同棲する羽目に陥る。しかし、神秘的な“城"は外来者Kに対して永遠にその門を開こうとしない……。 

城 (新潮文庫)

 ◆城って何?

「四十日と四十夜のメルヘン」 青木淳悟

四十日と四十夜のメルヘン (新潮文庫)

配りきれないチラシが層をなす部屋で、自分だけのメルヘンを完成させようとする「わたし」。つけ始めた日記にわずか四日間の現実さえ充分に再現できていないと気付いたので……。

四十日と四十夜のメルヘン (新潮文庫)

 ◆「は?」。どういうこと?

「風の歌を聴け」 村上春樹

風の歌を聴け (1979年)

1970年の夏、海辺の街に帰省した<僕>は、友人の<鼠>とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、<僕>の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。 

風の歌を聴け (講談社文庫)

 ◆何が言いたいの、何でそうなるの?

 

いずれも類い稀な作品です。

それぞれにメタファーが見え隠れしているようで

興味深く、しっかりと読み込みたい物語です。

たまにはこのような小説を手にしてみるのはいかがでしょうか。

 

▼こっちも読む?