オッサンライフ

オッサンのオッサンによるオッサンのためのブログ

BOØWY世代の僕らが「氷室京介」の引退について思うこと

L'EPILOGUE <通常盤>

僕らが音楽に目覚め始めたころ

ちょうど「バンドブーム」がやってきた。

僕らはお小遣いやお年玉なんかを貯めて

初心者用の安いエレキギターを買って

左手の指先の痛みを心地よく感じていた。

そんなバンドブームの最先端で頂点に君臨していたバンド

それが「BOØWY」だった。

 

BOØWYのボーカル、ヒムロック

氷室京介。ヒムロック。

僕らおっさん世代には懐かしい響き。

彼らのロックンロールは僕らを熱くさせた。

あるものはバットをギターに持ち替え

あるものは参考書を捨てドラムスティックを買った

あるものはメガネをはずして髪を逆立て

あるものは教室の片隅からステージに登った。

 

彼と彼らは僕らを変えた。青春時代を、おおげさに言えば人生を。

BOØWYのLAST GIGS

僕らがラジカセやコンポでBOØWYに夢中になっていたあの日、

彼らは突然解散した。

最後のコンサート「LAST GIGS」は東京ドームで

そのチケットは数分で完売。電話回線はパンクした。

当時の僕らにそんな行動力もお金もなく

数か月後に販売された「LAST GIGS」のCDを何度も聞いた。

 

そして彼は突然引退する。

僕らが歳をとったように彼も歳をとる。

氷室京介はヒムロックであってほしいし

ヒムロックでない氷室京介は見たくない。

 

氷室京介のLAST GIGS

またチケットは取れないだろう。

なんせ「僕ら」はいっぱいいるのだ。

また、数か月後にDVDでも買おう。

僕らの青春は終わるのだ。

 

ただ、もう一度だけ、たった一度でいいから

BOØWY」を見たかった気がする。

いや、しかし見たくない。見たくない。

 

あの頃は「BOØWY」を聞いていました。

進行形から過去進行形になってしまった僕らに

もう「BOØWY」は見れないのかもしれない。

それは鏡に映った自分の突き出た腹を見るように

いたたまれない気持ちになってしまうかもしれないからだ。

 

今では「巻き戻し(rewind)」の言葉も通じないという。

だから僕らはBOØWY」を脳内のカセットテープで巻き戻し

ほろ酔いで入る浴室の中で再生するしかないのだ。

 

▼僕らの音楽