【懐かしの昭和】あこがれの「バッシュ」
小学生の頃、バスケットクラブに所属していた。
足には「バッシュ」。
バッシュ・・・。懐かしい響きだ。
憧れのバッシュ
小さい頃、バスケットが流行っていた。
「ダッシュ勝平」という漫画の影響だった。
僕らの小学校ではポートボールが盛んでバスケットボールの基礎はできていた。
体育館で茶色のゴム製のバスケットボールを追っていた。
小学生の僕らの足にはやっぱり体育館シューズだった。
まだバスケットシューズなんてものがあるのも知らなかった。
ある日、他校へ試合に向かった。
試合はボロ負けだったが、それより僕らの衝撃を与えたものがあった。
「あの、長靴のような靴、なに?」
白い長靴。かっこいい。
僕らが憧れを抱いた長靴、それがバスケットシューズ、いわゆるバッシュだった。
もちろん「エア・ジョーダン」なんかではない。
僕らの小さな頃はまだNIKEは日本では無名だった。
白いバッシュ、それはコンバースだった。
コンバース・オールスター。
もちろん今でも人気の靴だ。
僕らの時代はバッシュと言えばこれだった。
エアジョーダンのように高性能でも、高機能でもない。
クッションがきいているわけでもなく、軽くもない。
ましてや履き心地さえよくない。
なぜこれがバスケットボール専用の靴なのかわからないが僕らはそのフォルムに憧れた。その無駄にさえ思える長さに憧れた。
母に懇願して買ってもらったバッシュ。
僕らは一番上まで締め上げてバスケットボールを追った。
バスケット用のハイソックスも揃えた。
僕らは靴を気にしながら意気揚々とバスケットの練習に勤しんだ。
あれから数十年、もう何足目かも分からないバッシュが靴箱で出番を待っている。