朝食の食パンを焼くのは「ポップアップトースター」
私の家庭では母もパートで働いていたので
朝食は簡単にできる食パンと牛乳という組み合わせが多かった。
今ではオーブントースターが主流ですが
僕らの子供の頃は違った。
焼けたパンがスコンと飛びあがる
「ポップアップトースター」だった。
焼くことが楽しみだったトースター
幼い僕らが調理気分を味わえるトースター。
食パンを穴に入れるだけなのだが
自分で料理をしている感じがあった。
袋に入った食パンを取り出し、
穴の中に入れて、横に付いているレバーを下げる。
しばらくすると、ジャンプするがごとく焼けたパンが跳ねる。
こんがり焼けたトーストにマーガリンやジャムを塗り
パンの耳からかじりつく。
外から友達の呼ぶ声が聞こえる。
牛乳で口の中にパンをねじ込み、ランドセルを手に取り
三和土に飛び降りる。
いつの日からか「ポップアップトースター」は見なくなった。
たしか、最後のほうはパンが跳ねなかった。
トーストしか焼けない彼らは時代の波に淘汰されたのか、
何でも焼けるオーブントースターにその座を奪われた。
しかし、僕らはただパンを焼くだけのことに、
エンターテインメントさえ感じさせた彼らを忘れはしない。
って、おおげさですが、今また見直してみるとおしゃれですね。
▼懐かしい昭和もの