新幹線は0系でしょ!
新幹線に乗ることがイベントだった
僕らがまだ小さい頃、憧れの乗り物だった新幹線。
夏休みの帰省や旅行などで新幹線に乗ることができた。
友達に、絵日記に、と新幹線に乗ったことを自慢したものです。
今となれば、新幹線もさまざまな形がありますが
当時の、いや、僕らの新幹線はこれ!
0系新幹線!
「ひかり」と「こだま」があって
「ひかり」のほうが止まる駅も少なくてちょっと自慢できる。
当時はワクワク、ドキドキしながら乗ったものです。
冷水器みたいなのがありましたよね
当時はペットボトルなんてものはなく
水分補給も簡単にはいきません。
たしか、連結部分、トイレの近くあたりに
冷水器があったのを覚えています。
折りたたみの紙コップが設置してあり、
ボタンを押すと飲料水が出てくる画期的なものでした。
別に飲みたくもないのに、
何度も何度も水を飲みに行きました。
ビュッフェこと食堂車
当時の新幹線はまだ禁煙ではなく
車内がとてもタバコ臭かったのを覚えています。
そこで、両親に頼んで、ビュッフェこと食堂車に
連れて行ってもらうのです。
車両まるまるひとつが食堂になっており
デパートの最上階のレストランと同様、
そこは「背筋がピンとする」憧れの場所でもありました。
そこで、カレーライスか何かを食べたのでしょうが
緊張と興奮で覚えていません。
ただカタカタと小刻みに振動するテーブルで
使い慣れないフォークやナイフなんて使いながら
車窓を通り抜けていく速い景色に目を奪われていました。
ただ、その特別すぎる環境は今となっても思い出深いです。
最後のわがまま、アイスクリーム
目的地が近づいてくると、私はきまってわがままを言っていました。
「アイスが食べたい」と。
車内販売の小さなカップのアイスクリームなんですが、
たしか当時300円くらいしていたと思います。
両親も「せっかくだから」とその高級アイスを買ってくれました。
それが、固いのなんの。
車内販売のお姉さんの保冷バックに入っていたアイスは
尋常ではないほどカチカチで、
必死で木の小さいスプーンで削り、
何とか食べ始める頃には目的の駅に到着目前で
冷たく固く、そして300円もする甘いアイスを
口の中にねじ込んでいました。
今はもう走っていませんが、また乗ってみたい新幹線でした。